7月16日

これほどくそ暑い中で考えるべきこと、やるべきことは、この暑さの中で、どう楽しくすごすかに限る。近年の夏はかなり暑い(年間平均気温は下がっているようなので、温暖化というよりは寒冷化しているようだ)のだから、それにあわせて、楽しみ方を変えていくべきなのだ。ひいては、服装や音楽や住む場所も。

長時間働かないでぐっと仕事の質を濃縮する、スーツじゃなくヒップホップアーティストのような大きめのシャツを着て風通しをよくする、暑い時間帯は木の下で休み、朝夕の涼しい時間に働く。夏休みを2ヶ月取り遊ぶ、というのはどうだろうか。

夜、鈴鹿山脈を越えた向こう側にある湯の山温泉へ。暖簾に力の入っていない温泉はダメだとおもう。暖簾は神社の鳥居のようなもので、境界を示す。ここから先は、異界ですと。神社の鳥居をくぐった瞬間、世界が変わるように、温泉の暖簾をくぐれば、そこから先は異世界なのだ。鳥居をくぐって参道を歩いているうちに、無意識に体に備わっている記憶が立ち上がる。そうです、暖簾をくぐれば、ソフトウェア温泉が立ち上がるのです。

薄明かりのなか、湯に浸かる。汗を流しながら、頭の中のゴミも、溜まったパソコンのキャッシュを消去するように流す。とまあ、御託を抜きにして、少なくとも月に一度は温泉へ行く。ひとっぷろ浴びて、頭にタオルを乗せて、ああいい湯だなあなんて、言えば、それが呪文のように、生き返る。っていままでわしゃ現世で死んでたんかいと。お気に入りの温泉は超大事。そろそろ、上田の別所温泉へ行きたい。硫黄のクッサイ、それでいて小汚い、最高の温泉へ。

さて、風呂に入って、暖簾をくぐり出て現世へ戻り、帰り道を車で走れば、思考がぐるぐる回りだして、夜に溶け出す。

時代は急速に変化しているのは誰もが知るところで、新しいテクノロジーがばんばん生まれている。さらにすごいことに、それを学ぶのも、ビデオラーニングやユーチューブでコストがほとんどゼロなのだ。ということは、そんな世の中で必要なのは、時間なのだと実感する。人生にはだれもが同様の時間を持っていて、人生とは時間の使いかたなのだ。大富豪でないかぎりは。

師匠は、おいしい水を持ち帰るには、水を入れる水筒が必要だ。水を汲みに行く前に、水筒を用意しなければ、おいしい水を人々にあげることはできない。大事なのは順番です、といった。もう少し、水を汲む方法を探す。時間の使い方が人生だ。

夜風が気持ちいい。