6月28日

ひとの日記を読むのが好きだ。そのかわりといってはなんだが、ぼくの日記をオープンにしている。日記っておもしろい。ひとってなに考えてもいいんだとか、ばかやなあとか、やるなあとか、日記の中から読み取れ、なんなら勝手に親近感がわく。中でも、坂口恭平『坂口恭平のぼうけん』はめちゃめちゃおもしろい。よかったら是非。

 

坂口恭平が「よく道に迷うひとの口癖は時間がない」と言っていた。時間がないからコンビニ弁当。夜に星をみる時間はない。面倒臭いから出来合いで結構。つもりつもった話はやったつもりやテレビで聞いた話。他人の話を聞く余裕も耳もない。他人のミスを許す余裕もない。ラッキーなことなんてない。自分を見つめる時間も余裕も考えもない。素直でない。気になっているのにまあいいか面倒臭いから。損得でしか動かない。なのにご都合主義。なのに時間がない。顔色悪い。そういう光景をよく見る。

 

あれこれの問題は、時間を疎かにしていること、自分のことを自分がわかっていないこと、食べ物が悪いこととそれを自覚していないこと。気がつくと、まわりを見る余裕がないときは、ぼくにもある。そんなときには、これは絶対に必要なことだけれど、夜中に星を見に行く。遠くの山に行く。空いている時間にどこか遠くに行く。

 

夜、坂本龍一のインタビューを読む。「でも、コンピューターがあればひとりでできるし、そうじゃなくてもさらに少人数でつくれるようになった。だから、映画音楽の変化というのは、観客の好みが変化したというよりも、むしろテクノロジーの進化と密接にかかわっているんですよね。技術的な限界というのがなくなっていったことで、たくさんのミュージシャンに開かれていった。」 「そこで思ったのは、むしろいまの時代って、わがままに、勝手気ままに音楽をやったほうが、世界中の若い連中は耳を傾けてくれるのかなということです。マーケティングとかセールスとか、そういう余計なことを考えてつくった音楽は、全部見透かされてしまうんでしょうね。」

 

ぼくもそうおもう。

 

https://wired.jp/2018/06/25/ryuichi-sakamoto-the-fortress/