6月19日

梅雨が続く。サン・テグジュベリ『星の王子さま』を読む。

 

特別な花を一本持っていたから幸せだとおもっていた星の王子様がそうじゃないことに気づいたとき、キツネと出会う。王子様は遊ぼうと尋ねると、キツネは「懐いていないから、遊べない」と答える。王子様は「懐く」ってどういう意味と聞く。キツネは「それは絆を作るってこと」と答えると、王子様は気づく。特別な花を一本持っていたから幸せだったのではなく、その花を大事に世話していたから幸せだったのだ。王子様は「懐くには何をすればいいの」と聞く。キツネは時間をかけることを教える。

 

なつく。会ってすぐ仲良くなることはできないけれど、少しずつ時間をかけていくうちに、ひとにも、花にも、場所でもなんにでも、懐ける。そうすると、見えなかったものが見えてきたりする。特別なものだから好きなのではなく、ぼくがあなたが懐いているから好きなのだ。そんな簡単で当たり前だけど見えにくいことを、サン・テグジュベリのキツネは教えてくれた。そんな大切なことを教えてくれる大人は少ない。そういう本をうまく勧めていきたいな。サン・テグジュベリ『星の王子さま』はおすすめ。