6月11日

日本の神はまれびとだと、坂口信夫は言った。神が日本的なのではなく、神の見方にこそ日本が潜む。主題じゃなく、方法に、ぽさやらしさが現れる。風が吹く。神はそこにはいないが、そこになにかを感じる。風は見えないが、風が吹いて木の葉が揺れれば、風が吹いていることに気づく。その風がいつ吹くのか、どこから吹くのか、どのように吹くのかが、日本にもたらした影響は計り知れない。日本人は風に名前をつけた。日本には風の名前が2000種類あるという。

 

表現者として、「時代は撮る技術より、なにを撮って、それをいかに伝えるか?」を考えている。なにかを始める前に、歩き出す方向を間違わないように、概念工事をしている。その軸足は、日本にある。その稽古のひとつを今秋からはじめる。