4月29日

6時に起きて、神社で火を焚く。煙が立ち上がり風が吹きはじめる。観客のないなか鎮守の森で静かに祭りがはじまる。

 

「祭りは、体を清める禊、神迎え、神輿を担ぐ魂振り、行道、神殿での魂鎮め、神送りのあと、一同で共食する直会となる。繰り返し続けていく周期と節目ごとの儀礼に、日本が大事にしてきた方法が象徴されている。」(『インタースコア』より) 「情報の記録と記憶は、祭りの順序や服装の色やあるいは模様や歌の様式で保存されたのである。」(『日本数奇』松岡正剛)

 

ぼくは祭りの後が好きだ。なぜだろうか。余韻が残っているからなのかもしれない。祭りの最中の騒ぎと後の静けさからなのかもしれない。そこにはもうないのに、まだそこに残っているものを感じたときのなんともいいようのない感覚がたまらない。