4月13日

『鏡の国のアリス』のつづきを読む。あべこべで、ちんぷんかんぷん。言葉ってそんなもんだろう。「りんご」をおもったとき、赤くて丸いともうかもしれない。じゃあ赤くて丸いものはリンゴかというとトマトかもしれない。言葉は曖昧だ。いたって曖昧だ。曖昧なのにりんごといえばあれ、トマトといえばこれと思い込み過ぎているから、世界は息苦しくなる。言葉と言葉の間にはアソビがあるのだから、世界の中にもアソビはあるに違いないのに。名なしの森で、子シカはアリスに名前を聞くが、アリスは名前を思い出せない。森を出て子シカがアリスのことを思い出したらすぐに逃げていく。ネーミングの問題は深刻だ。そうはいいながらいまも、あべこべ、つべこべいいながら、世界は進んでいる。