3月24日

折口信夫の「語り部と叙事詩と」を読んでいると、「私の考へはじめは、「かたる」といふ語の用語例から出発して、万葉集その他のかたるの意義を検べた辺から出て居る。」とあった。やはりだ。

 

日本語を辿っていくと、その言葉の持つイマジネーションや情景を知ることができる。日本語の裏ではイメージが連動してうごめいている。小学生の女の子が日記を、文字を声に出しながら、ひらがなで書いていた。こうして発音(振動)と、言葉と、意味と、身体感覚が繋がる瞬間なのかもしれないと思った。言葉と意味をつなぎ合わせ、振動しながら身体にインストールしていくのだろう。匂いや色彩や場所や感情を含ませながら。