2月24日

家に帰ったら、松岡正剛『擬』『匠の流儀』、今和次郎『考現学入門』が届いていた。3冊すべての目次、はじめに、あとがきに目を通す。『擬』は、先月に京都の恵文社で手にとって読んだあとがきに「判断が合理と非合理に分けられすぎること、世の中の方針が正解に向かおうとして撞着を排除しようとすること、そのために平均値や標準化が社会的な力をもちすぎてきたことに、疑問を呈したのだ」と書かれてあって、こりゃすぐ読みたいとおもった。この文章が言っていることを、おそらくぼくは幼少の頃からそういうふうに考えてきたようにおもう。まあこんなにうまくは言えていないのだけど。『匠の流儀』は、年明けに長野県上田のネイボで手にとったときにおもしろいなとおもったけど、そのときには買わなかった。それがいまさら、あのとき買っておけばよかったと思った一冊。対談集がおもしろいのは、相手の発言を聞いたときに生まれる、自分だけでは到底生まれなかったであろう創発のスパーク、あるいは考え方のコンビネーションの瞬間がパッケージされているから。『考現学入門』は、こんな本あったんだとおもわせるもので、日常の目にはするけれど、気にならないことを、緻密に記録されている。「制服の破れる箇所」や「ツバメの巣」や「ある春の日の井の頭公園のピクニックの見取り図」など。ここまでくると、ああ、なにを考えてもいいんだななんておもいます。ニクい。

 

UAのAUWAを聴きながら、眠りにつく。