11月23日

機械から変な音が鳴る。どうしたときに鳴って、どうしたときに鳴らないのか。そうやって不具合を判断する。車の元敏腕整備士の上司がいう。それから、「それもこれも、構造を理解していないとわからない。だから、ばらしてみるとよくわかるのはそういうこと。大体のものは、構造さえわかってたら、応用で直せる。大事なのは基本や」という話を、聴きながら、ぼんやり窓の外の山を遠くから見ながら考える。

ぼくははじめてなにかをするときに、ふたつのことを考える。ひとつは目の前のことを失敗してでもいいから(あるいは、失敗するやろなとおもって)とにかくやる。もうひとつは、全体像をいちはやく掴もうとする。ふたつのことを考えているけれど、それらは平行的に考えているのではなくて、部分から全体を捉えようとしている。ここでいう、全体というのは上司のいう構造で、それは車だけでなく、あらゆる仕事や生活や人生にも置き換えられる。そして、全体がわかっているからこそ、部分が大切だということに気づく。

ということは、あらゆることを明確にしておくこと(まあそんなわけにもいかないので普段からそういうことについて考えていること)、すぐに動けるようにすること(肉体的、精神的、社会的)が大事なんだろうな。神は細部に宿るとだれかが言った。

そうそう、歴史とか文化とかどうでもいいって、ものすごく乱暴な言葉を聞いて、とても悲しくなった。