11月13日

松岡正剛『空海の夢』を読む。


仕事をやり始めてまもないひとの行動を見ていると、あるできごとが起こったときに、それに対応するアイデアが少ない。仕事にもよるけれどアイデアは他人から盗むに限る。となると型が大事になる。型の習得は、こういうときこうするというパターンあるいはケーススタディを延々とくり返す。そのときに方法を体に染み込ませていく。そこでは型にはまらないことに注意を向けなければいけない。が、型を習得していくうちに、その型を「破る」段階がやってくる、という事実は知られていないから、そういったネガティブな考えはどこでもいつでも生まれる。型を破るには、型を持っていなければいけない。ここをまちがえてはいけない。その段階とは、アイデア(型)の集積によるもので、「こういう状況ではこうすべきだと学んだけど、こうやってもできるよね」というものだったりする。それから、「離れる」段階となる。ぼくはこれを、アイデアの組み合わせ、コンビネーションのことだとおもう。ここにセンスが宿る。仕事のできる上司を見ると、難しいことをしていない。やっていることといえば、シンプルなことの組み合わせ。それはよくみていないと、難しいことをやっているように見えてしまう。本から学び、ひとから学び、場所から学び、空気から学び、自然から学ぶ。学ぶのは方法なのだ。方法に、すべてが宿っている、ここ日本では。