11月8日

守破離のプロセスが有効なことは多い。それなのに、型にはまるという言葉の真意を汲み取らずにいてもったい。守破離のプロセスは、「疑問を挟むことなく型を守り続けた先に、その強固な殻を自然にうち破る自由度の発現のフェーズがあり、そこからさらに技法が発酵すれば内在化したプログラムが自律的に変形する領域にまで離れる時点がある」(松岡正剛、ドミニク・チェン『謎床』はじめに)

 

こういうときにかなり有効だ。 たとえば、はじめて料理を作るひとが、まずすべきなのは、レシピ通りに完璧に料理を作ること。材料も、調味料の数量も、火の加減もすべて寸分の狂いもなくレシピをコピーする。それを何回も繰り返す。それが守。繰り返していると、だんだんとわかってくることが出てくる。それは、鷹の爪の炒め具合による辛さだったり、切った具のサイズと食べやすさの関係だったり、火加減をコントロールすることだったり。それから、冷蔵庫にある食材をみて、じゃあ今日の晩御飯はこれとあれとあれやななんて、臨機応変にレシピを組み立てることができる。それが離。

 

守破離のプロセスを、全否定していては料理などうまくならないのではないか、いや料理だけでなくいろいろ不都合があるようにおもう。日本は型の文化なのだから。