9月13日

家に帰ると、キンモクセイの匂いが少し漂っていることに気付く。まだ蝉は鳴いている。夕方薄い雲は夕日と相まってピンク色。少し暗くなると、鈴虫が鳴く。いきなり夏から、秋になるのではなくって、いまは夏と秋が混ざり合っている。味噌汁がおいしい。

郵便ポストに、頼んでおいた本が届いている。吉野裕子「陰陽五行と日本の民俗」。9月はもう本を書わないぞとおもいながら、買ってしまった一冊。めちゃめちゃおもしろい!本著にこうある。「陰陽五行とは中国古代哲学である。そのせいか、『陰陽五行』ときくと、それは私どもの耳に何か気遠く、かびくさく、非常にかけ離れたもののように響く。しかしこれは古いようで新しく、いまもなお私どものくらしのなかに日々、息づいていて、少しも無縁ののもではないのである。」まさしく、ぼくは少し読んで感じたのはこのことだ!めちゃめちゃおもろい!!


「冬は唐突に春になるのではなくて、春もまた直ちに夏に移るのではない。各季節の間には、そのいずれにも属さない中間の季(とき)がある。それが各季節の季(すえ)におかれた、十八日間土用である。」

まさに今日感じたのは、季節が混ざっているということ。それを感じ取るのは、そういう陰陽五行の感覚が生活に気づかないように、溶け込んでいて、風習としてしみこんでいる。

一年の四季や、十二ヶ月、二十四節気、七十二候もこの理によるものなのだから、いまさらその事実から逃れるわけにはいかないのだ。それにしても、この本めちゃいい!表紙の酉も。